『松川温泉 松楓荘』宿泊記ー存分に硫黄とノスタルジーを堪能
- お宿での実体験を書きました
- 最愛の温泉に宿泊が叶い、存分に硫黄とノスタルジーを堪能することができ、最高のクリスマスでした。
- 記事の最後にはお宿のSNS口コミも!
到着~チェックイン
私と恋人の趣味は、温泉めぐり。
昨年に引き続き、このクリスマスも、恋人とともに温泉へやってきました。聖夜に温泉……。通みたいで気に入っているのです。
日本には素晴らしい温泉が数多くありますが、中でも私の一番好きな温泉である「松川温泉 松楓荘」へ宿泊を決めました。日帰り入浴は幾度となくしてきましたが、念願の初宿泊です。
12月の岩手県八幡平市は豪雪。山道の運転も緊張が走りました。
秘湯感あふれるたたずまい。温泉の湯気がもくもくとしていて、濃い硫黄の香りに胸が高鳴ります。
中に入ると、祖母の家へと帰ったかのような安心感に包まれます。歴史が刻まれた木造建築に感銘を受けました。
従業員の方が館内を案内してくれました。
岩風呂と混浴露天風呂が1か所ずつと、内湯が2か所あるのですが、奥の方にある内湯の電気がつかないので夜の入浴はおすすめしないとのこと。
また、朝は雪かきが間に合わないため、岩風呂も入ることができないと説明を受けました。
山奥に位置するため、なにかと不便は多いようです。でも、それでこそ秘湯。日常からかけ離れた場所にいる感じがして、嬉しくなります。
松楓荘の看板猫
ここには、看板猫がいます。黒猫のクロちゃんとモモちゃんです。
廊下にも、可愛らしい写真の数々が飾られていました。保護施設からやってきたためあまり人慣れはしていませんが、時たま姿を見せてくれます。
若女将さんは、「私にも懐かないのよ~」と苦笑していました。
カウンターの奥にあるゲージが、定位置のようです。しっぽが可愛らしいですね。
落ち着きのあるお部屋では温泉卵が
お部屋は、和風で落ち着きのある空間でした。ふたりには十分な広さです。
お部屋といえば、お着き菓子も楽しみのひとつですが……
なんとここは、温泉卵でした。素朴さに、思わず心がほぐれました。
ちなみに日帰り入浴では、入浴料金を支払うと温泉卵・ヤクルト・飴の中からひとつ選んで交換できる券をプレゼントしてくれます。
こんなユニークなシステムがある温泉はなかなかないですよね。
私が「松川温泉 松楓荘」を愛するひとつの理由です。
松楓荘の名物・岩風呂は吊り橋の先に
ここの名物ともいえる岩風呂へ、日が暮れる前に入浴をしました。
吊り橋を渡った先に温泉があるのも、秘湯という感じがして最高ですよね。冒険心がくすぐられます。
この吊り橋は思ったより揺れるので、ドキドキします。洞窟の中に忽然と温泉があり、異空間に来たかのようです。岩に囲まれ、静けさに安らぎを覚えます。
松楓荘の夕食のお料理
温まったところで、お待ちかねの夕食です。
食事会場には灯油ストーブが置いてあり、独特の匂いに懐かしい気持ちになりました。
手の込んだ料理ばかりで、感銘を受けました。やはり、祖母のご飯を食べているような懐かしさがあります。
山奥ならではの山菜や川魚を味わうことができ、とても満たされました。
漬物や豆腐もお手製で、手間をかけて料理を作っていることが伝わってきて胸が熱くなります。
前沢牛のすき焼きは、とても柔らかく口の中でとろける美味しさです。
「ご飯はたくさんありますから、おかわりしてくださいね」と優しく声をかけていただき、存分に食事を楽しむことができました。
温泉でのの食事は品数が多く満腹になると分かっているのにビールを頼んでしまい、さらに自分の身を苦しめることをやめられないのは、何故なのでしょうか。
内湯の温泉では硫黄の香りに包まれて
満腹に悶えながら、お部屋で休憩をとります。食事している間に、従業員の方が布団を敷いてくれたようで助かりました。
ようやく動けるようになってから、内湯へと向かいました。
硫黄の香りがムンムンとします。ここより濃い硫黄を私は知りません。
このお湯に浸かった後は何日も身体に硫黄の香りが残るし、衣類についた香りも一回の洗濯では取れません。それほどまでに強烈な硫黄。素晴らしいことこの上ありません。最高です。
お湯を手のひらですくうと、立派な湯の花が確認できます。このお湯に浸かれるのなら、多少の不便もなんてことありません。
女性の内湯は混浴露天風呂とつながっているため、そのまま露天風呂へと向かいました。
混浴露天風呂は、女性の入り口は男性から見えないように仕切りがあることに加え、お湯も白濁色なためハードルは低めです。温度は少しぬるいくらいで、いつまでも入っていられるような湯加減でした。
雪は、やみそうにありません。しかしここは、晴れの日よりも天気の悪い日の方が情緒があります。
厳しい風を顔に感じながらお湯に浸かる瞬間は、何事にも代えがたい素晴らしさがありました。
耳を澄ませていると、川の流れる音がごうごうと鳴っているのが聞こえます。自分が自然に溶けていくような感覚に包まれ、自分の悩みなんてちっぽけに思えてきます。
温泉は頭を空っぽにするに尽きますね。
ひと息ついて館内を散策
温泉を思う存分楽しんだところで、のぼせた身体を冷ましがてら、館内の散歩をしました。
廊下は斜めで、雪の重みで軋んでいるのが分かります。
湯治場の面影があり、どことなく雰囲気があります。タイムスリップしたような感覚。
平安時代に発見され、江戸時代に開湯されたという古い歴史を持つ「松川温泉 松楓荘」。
ここは、電波も悪ければ、テレビの映りも悪いです。しかし、改装せずにいつまでもこのままでいて欲しいと思います。古き良き時代を忘れずにいたいのです。人を豊かにするのは、便利さに限らないのではないでしょうか。
久々にじっくりと語らいながら、コンビニで買ってきたケーキを食べ、静かに夜を過ごしました。
朝風呂の温泉ですっきり目覚め
温泉宿で目覚める朝は、ふだんとは違いすっきりと目覚めることができ、苦手な早起きもお手のものです。
部屋の窓から外を眺めると、大きく立派なつららがたくさん連なっていました。
夜は行けなかったもう一か所の内湯へと向かいました。
奥にあるこちらの内湯は、浸かる際に思わず声が出てしまうくらい熱いです。容赦ない熱々の湯温がたまりません。浸かる際に思わず声が出てしまうくらい熱いです。
我慢できなくなったところで冷水を浴び休むことを繰り返すと、身体が整っていきます。まるでサウナのよう。
また、ここの造りはとても風情があって良いです。むき出しの木が見え、天井が高く、なんだか清々しい気持ちになりました。女湯と男湯の間は、ひとつの大きな岩によって仕切られています。
シャワーはなく、ケロリンの洗面器でお湯を汲み身体を洗う方式も、秘湯感があってテンションが上がります。
心ホクホクする朝食
お湯に浸かり、すっかりお腹が減ったところで朝食をいただきました。
日本の朝らしい落ち着く料理の数々に、心がホクホクします。
お米のすすむものばかりで、ついお代わりしてしまいました。
入浴手形を頂いてチェックアウト
松川温泉は松楓荘・峡雲荘・松川荘の三軒の宿からなっているのですが、どこか一か所に入浴すると、他の二か所にも無料で入浴できる入浴手形を貰うことができます。
どうせなら他の景色も楽しもうと入浴手形を頂き、後ろ髪を引かれながらここを後にしました。
車に乗ると、置いてあったペットボトルの水がカチコチに凍っていて驚きました。
松川温泉 松楓荘 ブログ宿泊記まとめ
最愛の温泉に宿泊が叶い、存分に硫黄とノスタルジーを堪能することができ、最高のクリスマスでした。
もっともっと通い詰めて、黒猫のクロちゃんモモちゃんとも仲良くなれたらいいなと思います。
一度宿泊すれば、不思議とまたこの場所に帰りたくなるような温かさがここにはあります。
俗世に疲れた際は、「松川温泉 松楓荘」での宿泊をぜひおすすめ致します。
松川温泉 松楓荘 について
ノスタルジーを感じることができるお宿。松川温泉では最も歴史が古くレトロな木造の建物です。
秘湯らしさ、日常からかけ離れた体験を味わいたいならオススメのお宿です。