『八丁の湯』宿泊記ー関東最後の秘湯の混浴露天風呂で湯の花の濃さに浸る
「温泉でゆっくりしたいな」
真冬の疲れた仕事終わりに、ふと頭に浮かんだ、温泉の二文字。
今までも何度か温泉旅行には行くものの、いつも観光がメインで、観光地から程近いところを条件に温泉宿を選んでいました。
今回はそうではなく、温泉に入ること自体を目的にした旅行がしたい!
という事で見つけた旅館が、奥鬼怒温泉郷にある『八丁の湯』。八丁の湯は“関東最後の秘湯”と呼ばれ、今回の目的にピッタリでした。
- お宿での実体験を書きました
- 「温泉でゆっくりしたいな」 真冬の疲れた仕事終わりに、ふと頭に浮かんだ“温泉“の二文字。“関東最後の秘湯”へ。
- 記事の最後にはお宿のSNS口コミも!
到着〜チェックイン
当日は宿の送迎バスが出ている女夫渕無料駐車場までは、車で向かいます。正直「どこまで行くの?」と心配になるくらい山奥まで進みました。
そして、到着した場所から送迎バスで、一般車通行不可となっている道をさらに進みます。
山の奥へ、そして谷へ、ここまで山奥に来たことがない私は進むにつれてワクワクしていました。
まさに秘湯にふさわしい立地です。
そして到着したのがこちら、森の中に佇む趣のある宿。
入口の扉には『日本秘湯を守る会』の会員証があります。
「温泉の良さを大切にしている所なんだな」。そう考えると、秘湯へのワクワクがとまりません。
今回はログハウスツインのお部屋へ
受付を済ませたら、部屋へと案内されました。
建物の奥へ歩き、より静かなところへと進んでいきます。
今回泊ったお部屋は〈ログハウスツイン〉。
暖かみのある灯りと、木のぬくもりを感じるお部屋です。
ログハウスなのに、床は畳という不思議な組み合わせ。しかし、私も日本人だからでしょうか、どことなく落ちつく空間です。
窓を開けると、部屋の近くを川が流れていました。
そして、バルコニーには木製の机と椅子。きっと暖かい時期に来れば、この椅子に座りながら外の自然を楽しめるのでしょう。
積雪のため使えなかったものの、外の川のせせらぎは本当に癒されました。今回はとても寒いので、窓は早めに閉めます。
そして、上の写真で注目ほしい所があります・・・。地面に目を落としてください。
なんと、すぐそこに野生動物の足跡があったのです!
「ここを何かが通った!」
「それだけ自然の真ん中に来た!」
という普段の生活では味わえない光景で、さらにワクワクしました。
秘湯の温泉は湯の華たっぷり混浴の本格派
お部屋を一通り散策したあとは、お待ちかねの温泉へ。
こちらは珍しい混浴となっており(女性限定入浴時間あり)、かつシャンプーなどの洗剤は禁止された本格派温泉です。身体を洗うのではなく、ゆったりと温泉を楽しみましょう。
混浴なので、身体にタオルを巻いて更衣室を出ると、目の前には待ち望んだ秘湯が広がりました。
雪景色の温泉と、正面に流れる大きな滝。日が暮れて、全てが綺麗にライトアップされています。
ゆっくりと見て回りたくても、寒くて凍えそうなので、ひとまず一番近くの温泉へ浸かりました。一息ついたところで湯船を見ると、たくさんの湯の華が浮いています。
今までの入った温泉と比較しても、圧倒的1番の量! あまりの多さに驚きましたが、それだけ温泉成分が濃い源泉という事でしょう。
そして、このまま滝を正面に眺めながら入る温泉も素晴しいですが、一度移動します。地面が一部凍っている個所もあるため、慎重に。
石でできた階段を上がると、そこにも温泉がありました。
その温泉からは、先ほど見た滝を真横から眺める事ができるのです。こんなに高く、近い位置で滝を見ながら入る温泉が他にあるでしょうか!?
綺麗な滝と雪景色を眺めながらの温泉。
日頃の忙しさや喧騒を一瞬で忘れる事ができます。本当にここまで来た甲斐がありました。
時間を忘れてゆっくり秘湯を堪能し、長旅で冷えた身体もポカポカになりました。
八丁の湯の夕食のお料理
ゆっくり温まったあとは、お食事です!
あらかじめ用意されたテーブルをみて、最初に思った事は「なんだこの葉っぱは!?」でした(笑)
これは、のちのち分かりました。
ひとまず、今回のお品書きを確認します。見ただけで、よだれが出そう。
せっかくなので日本酒を注文して、お料理と頂く事に。ちょっとずつ美味しいものをつまむのって、こんな機会にしかできないですよね。
どれも想像を裏切らない美味しさで、お箸とお酒がとまりません。
そして焼き物まで進みます。
ここで冒頭の葉っぱの正体が分かりました。
画質が悪くてすみません。
実はこの『足尾産岩魚』をのせるお皿だったのです。とても雰囲気があって良かったです。そしてもちろん美味しい。
そして、こちらがお品書きには記載がなかったものの、旅館の予約特典でついてきた『栃木霜降高原牛ステーキ』。
「(ああ幸せ・・・)」
ご当地の食材や料理や日本酒、どれも最高に美味しかったです!
心もお腹も満たされました。
内風呂もあります
食後に少しゆっくりしたあとは、内風呂で体を洗いに行きます。
こちらは広くはありませんでしたが、岩でできた壁や湯船で風情を感じる内観です。
実は受付の際に「水道は完全に止めてはいけない」と案内されました。
部屋も同様なのですが、水道管が凍って水が出なくなるそうです。
いざシャワーで体を流そうとした時、誰かがうっかり全部閉めたようで、2つあるシャワーのうちの片方が出なくなっていました(笑)
それだけ山奥に来たのだな、と改めて実感。
同じタイミングできた別の方と変わりばんこで湯船とシャワーを使ったのは、いい思い出になりました。
真冬に行く人は蛇口を全部閉めないように気を付けて下さい。
薪ストーブのレストハウスでくつろぐ
内風呂で温まり、部屋に戻るまえに、夜はバーにもなる『レストハウス』を覗きに行きました。
こちらもログハウスのような内装で、木のぬくもりと薪ストーブがいい組み合わせ。
一角に日本酒が用意されていました。年末年始限定サービスのようで、本当にいいタイミングで宿泊しました♪
せっかくなので一杯頂くことに。日本酒の香りの後に樽の香りがふわっと広がります。
薪ストーブの前でゆっくりお酒を楽しむ、心が安らぐ時間でした。
お部屋に戻って静かに過ごす時間
私が宿泊したときは、部屋に冷蔵庫やテレビはありませんでした。
初めは正直「テレビのない旅館どうなのかな・・・」と思いました。ですが、いざ過ごしてみると、全く問題ありませんでした。
むしろ余計な物や音がないので、行った人との時間を大切にできます。
ゆっくりと流れる時間の中でおしゃべり。
ここでも、お酒をしっぽり楽しみながら過ごしました。
朝食も手抜きなしに美味!
昨晩の夕食と同じ席に着くと、お重箱が用意されていました。
こんな形のお食事は初めてなので、朝一でまたワクワクしてしまいます。
中を開けると、上品なおかず達がでてきました。
私は普段、朝食を多くは食べませんが、今日は美味しいおかずでご飯がすすみます。
シンプルだからこそ、素材やお出汁の味が楽しめる。そんな食事でした。
せっかくの温泉なので朝風呂もお楽しみ
チェックアウトに余裕があったので、せっかくなのでもう一度温泉へ。
きのう入ったときは日も暮れて暗かったのですが、今回は景色がはっきりと見えるので、昨日とは少し違った雰囲気を感じる事ができました。
ライトアップされているのも綺麗でしたが、ありのままの滝の姿と雪景色も綺麗です。
滝の音とマイナスイオン・そして心地いい温泉。これらを一緒に感じる事ができるなんて、本当に贅沢な空間でした。
「八丁の湯」ブログまとめ
旅館に着くまでには時間がかかりましたので、初めは正直「こんな山奥まで行くの!?」とも思いました。
しかしその分、ほかでは味わえない温泉・旅館の雰囲気を堪能できました。
ここまで来る価値は十分にあったと思います。お料理もサービスも素晴しい旅館です。
今回は真冬の雪景色を見る事ができたので、次は季節を変えて、また行きたいなと思いました。
奥鬼怒温泉郷の山の宿 八丁の湯 について
大自然に恵まれた、風情あるお宿です。お宿は、標高1,300mの場所に位置します。
マイカーでの乗り入れができないため、お宿までは、女夫渕から無料の送迎バスを利用すると便利です。
100%源泉掛け流しの温泉は、刺激が少ないのが特徴で、からだにやさしい泉質です。
混浴風呂が3箇所、女性専用の露天風呂があります。混浴風呂の「滝見の湯」では、ダイナミックな滝を眺めながら温泉につかれますよ。
八丁の湯では、日帰り温泉もあるため、周辺観光をして気軽に立ち寄れるスポットです。
八丁の湯の周辺には、ブナの大自然に囲まれています。大自然のパノラマを思う存分、楽しめるお宿です。