『石見ワイナリーホテル美郷』宿泊記ー温泉・料理・接客のどれもが印象深く
島根県美郷町には、豊かな水をたたえた江の川があります。いまは廃線となった旧三江線を望むその川端に昨年オープンしたお宿『石見ワイナリーホテル美郷』へ宿泊しました。
こちらは、国立公園内にある『石見ワイナリー』が運営するホテルです。
- お宿での実体験を書きました
- 内観の雰囲気や香り・お料理・温泉・癒やしのお部屋・個人に寄り添う柔軟なサービス、どれも素晴らしかった…。
- 記事の最後にはお宿のSNS口コミも!
ポプリの香りに包まれながらチェックイン
建物の中に入ると、エントランスには大きなツリーをメインに暖炉やピアノなど洗礼された調度が置かれていました。とてもいい香りが漂っています。
のどかな風景の中、忽然と現れたおしゃれでリッチな空間にあっけにとられていると、スタッフの方に暖かく出迎えてくださいました。
チェックイン中を夫に任せ、ロビーを見回すと、お土産品のコーナーを発見。地元特産品のほか、ワインやそれに合うおつまみが多く並んでいました。
館内のいい香りの正体は、ポプリ。館内のいたる所に置かれています。ロビーにて販売されていたので購入しようかと思ったほど、洗礼された素敵な香りでした。
チェックイン後は、お部屋へ。
子ども連れにピッタリな2段ベッドのお部屋
今回泊まったのは、最大4人泊まれる2段ベットのお部屋です。少し狭めですが、家族3人連れには十分でした。
2段ベットが物珍しく、合宿に来たようでワクワク。建てたばかりなのもあって、そこら中ピカピカです。枕元にはそれぞれ、明るさ調節の出来る読書灯やコンセント・USBなどが備え付けられていました。
広い洗面台には、高級なアメニティが置かれていました。ホテルのアメニティでここまで質の良いものは初めて。
他にも屋内着やお風呂に行く用の籠が置かれていたのは嬉しいサービスでした。
案内くださったスタッフの方が、部屋の説明を終えた最後に「今夜ご宿泊なのは、お客様のみですので、存分におくつろぎください。」と教えて下さいました。
子連れなので足音や騒ぐ声を心配していたのでラッキーです♪
お部屋に置かれていた館内着に着替え、ロビーで脱衣所ロッカーの鍵を借りて、さっそく温泉へ。
重厚な湯の華を抱えるかけ流し天然温泉
温泉に向かう途中に『癒やしの部屋』という休憩所があったのですが、驚くほど充実した空間だったので、後ほど改めてご紹介します。
広い脱衣所には、ロッカーやウォーターサーバーのほか洗面台がずらりと並んでいました。とても清潔感のあります。
こちらの温泉は日帰り入浴も可能。同じ美郷町内の住人であれば格安では利用できるそうで、親子連れやご年配の方など様々な年代の方が利用されています。
この日も母娘が1組入浴中でしたが、自分の子どもの脱衣に手間取るうち、いつの間にか貸切状態になりました。
さっそく温泉の扉を開けると、てっきり温泉だけかと思っていたのが、サウナに水風呂・ジェットバスまであり充実していました。
こちらの狐が見つけたという謂れがある潮温泉は、その名の通り炭酸を含んだ海水に近い成分です。三瓶山周辺には質の良い温泉が数多くありますが、この潮温泉も驚きでした。
白濁した濃度の濃いお湯はもちろん、この湯の花。オープン1年でこの量かと驚いて、あとから聞いてみると、これでも一度削っているそう。すごい濃度です。
源泉の露天風呂に浸かると、ぷーんと鉄の香り。塩分が多いので身体がじわじわ芯まで温まりました。
三瓶山の懐に抱かれた気持ちです。
「もう上がろう」と言いながら何度も入り直して、時間の許す限り温泉を楽しみました。
一点だけ気になるとすれば、ボイラーの音が結構大きくて、せっかくの雰囲気を少し損なっていたかなという印象です。
ちなみに、ちょうどいらしていた地元の方に伺ったのですが、地元の方なら格安でこちらの温泉に入れるのだとか。うらやましい…!!
石見ワイナリーホテル美郷の夕食のお料理
そして心行くまで温泉を満喫したあとは、身も心もポカポカ状態で、館内のレストラン『リストランテ ラ ロジェッタ』へ。
入ってすぐの壁にはギターなど楽器がたくさん並んでいました。普段はコンサートもあるようです。
ウエイターの方に案内され、テーブルへ。今夜は一組だけなので、一番いい特等席へ案内くださいました。
今夜はイタリア料理です。本格的なテーブルセッティングに、ドキドキ。
こちらは、お品書き。主に地元の食材が使われています。
せっかくワイナリーが経営されているホテルなのだからと、赤ワインを注文しました。お味は流石ワイナリー!味わい深く繊細でした。
まず出てきたのは、小エビとアボカドのサラダ。
オシャレです。食べてみると、塩加減もちょうどよくアボカドとエビの風味がとても濃厚でした。ワインにもよく合います。
「ご一緒にどうぞ。」と出されたパンは地元のパン屋さんのもの。
会場中に広がったいい香りに食欲が刺激され、ついつい食べすぎてしまいました。メインをまえに早くもおかわり。
穴子のタリオリーニ。ソースとお野菜の味付けが抜群で、偏食の子供も夢中で食べるほど。穴子もホロホロとしてパスタに良く合いました。
お次はメインの低温料理のチキン・石見ポークロースト・しまね和牛の煮込み。こちらも地元の食材がふんだんに使われています。
お肉はもちろん、お野菜の味もしっかりとして濃厚。もうお料理も終盤なのに、パクパクと食べてしまいました。
そしてデザートのドルチェ。パンケーキやさつまいもが使われています。
さっぱりした甘さで食後にピッタリ。シェフの方の気遣いが伝わってきて、最後まで美味しくいただくことができました。
ホスピタリティ溢れる素敵なサプライズ
そして、ウエイターやシェフの方の暖かな思いやりが伝わってきたエピソードを少し紹介させてください。
食事の途中、ずっと座っているのに飽きたのか、しきりに外を気にして食事に集中できない我が子。するとそれに気づいたウエイターの方が子供をテラスに案内し、外にわずかに残る雪で一緒に遊んでくださったのです。
その後は温かいおしぼりまで用意いただきました。
これだけでも有難かったのですが、驚いたのはそのあと。デザートを待っていたところ、ウエイターの方が「本日はお越しいただき、ありがとうございました。」とデザートプレートを子供に差し出されました。
プレートには、大きく子供の名前が。
予約時にも伝えた覚えはないので驚いていると、実は先ほどの雪遊びの最中、子供から教えてもらっていたとのこと。
あまりのスマートかつ温かいサプライズに大感激!可愛いイラストや会話に応じたメッセージまで書いてあり、子供はいつまでも眺めて大切に少しづつ食べていました。
食後はシェフの方にご挨拶いただきました。心通いあう一流のサービスを受けれたことに感謝です。
温泉の休憩コーナー「癒やしの部屋」
さきほども日帰り入浴出来ることをお伝えしましたが、町外の方の料金は少しお高め。その理由は温泉の質の良さと、こちらの休憩コーナー『癒やしの部屋』にあります。
食前の入浴前に通りかかって度肝を抜かれていたのですが、改めて行ってみるとさらに驚きでした。
本棚で出来た迷路のよう通路には、至るところに漫画や小説・画集など本がズラリと並んでいます。まるで図書館に泊まった気分。
本棚の中にはテーブルと椅子も組み込まれていました。本好きなので、ここに住みたくなります。
それだけでも素晴らしいのに、アイスやジュース各種・コヒーマシンなどが無料で楽しめる、まるで漫画喫茶のような充実っぷり。
フロントで買える専用プリペイドカードでワインの試飲も可能です。(一杯500円ほど)
そして、みつけた瞬間に子どもが狂喜乱舞していた大量のMOGUクッションエリアでは、大人も童心に帰って遊んでしまいました。わが家にも欲しい空間です。
詩集や画集も豊富で、どれもセンスがよく、どれを読もうか迷うほど。
「もっと早く到着していればよかった〜」と圧倒的な時間の足りなさを悔しく思いながら、しばしの夜のひとときを楽しみました。
昨日とは違った温泉を楽しめる朝風呂
朝は少し早起きをして、朝風呂に向かいました。男女交代制なので、昨日とは違った露天風呂を楽しめます。
こちらはイベント風呂があり、ハーブのカモミールが入った袋が浮かんでいました。自然の楚々とした香りに癒やされます。
朝からポカポカ。癒やしの部屋でフルーツジュースを飲んでシャッキリ目覚めました。
手抜きなしに美味しい朝食には可愛いオニギリも
朝の江の川を眺めながら、レストランで和食の朝ごはんをいただきます。
つやつやご飯にシジミのお味噌汁、焼き魚のいい香りが広がり、最高の一日の始まりでした。
子供には竹の皮に包まれたおにぎりが登場です。あまりの可愛らしさと素朴さに写真をパチリ。
チェックアウトも丁寧な対応
食後は次の予定のため名残惜しくチェックアウト。ここでも温かく接してくださり、車までお見送りもしていただきました。
思えば、チェックインからチェックアウトまで、杓子定規の対応は一度もありませんでした。最後まで丁寧かつ気さくな対応に「本当にいい宿に泊まれたなー」と幸せな気持ちでお宿を後にしました。
石見ワイナリーホテル美郷のブログ宿泊記まとめ
2021年に新しくオープンしたと聞き、泊まってみたのですが、想像以上でした。
Instagramに載せようかと思うほどのおしゃれなポイントがたくさん。今回は利用しませんでしたが、本格的なエステを体験できるサロンやマッサージチェアがある多目的ルームなども充実していました。
三瓶山周辺には秘湯が点在していますが、やはり潮温泉も素晴らしい温泉。本格的な温泉にあっけにとられてしまいます。
そしてなんといっても、図書館から譲り受けたという圧巻の書籍量にも驚かされます。ドリンクバーまで付いて、温泉とともに一日中でも楽しみたかったです。
加えて、レストランのご飯の美味しさも予想外。こんな本格的で質の高いイタリアンをいただけるなんて感激でした。
内観の雰囲気や香り・お料理・温泉・癒やしのお部屋・個人に寄り添う柔軟なサービス、どれも素晴らしく、宿で過ごしている最中はずっとワクワクが止まりません。
エステや温泉に癒やされ、本を読みふけり、美味しいご飯でお腹いっぱいにする。そんな『石見ワイナリーホテル』を満喫できる盛りだくさんな計画を早くも夢見てしまいました。
石見ワイナリーホテル美郷 について
2021年に新しくオープンしたホテルで、SNS映えするおしゃれなポイントがたくさん。
本格的なエステを体験できるサロンや、マッサージチェアがある多目的ルームなども充実。
三瓶山周辺には秘湯が点在していますが、分厚い湯の華を生み出す潮温泉も素晴らしい温泉。
レストランでは地元産食材をしっかりと料理した本格的で質の高いイタリアンをいただけます。