『松島佐勘 松庵』宿泊記ー粋な演出に感動…客室から望む松島の海、圧巻の絶景
母のお誕生日祝いを兼ね、私達夫婦と母の3人で日本三景の1つである松島を訪れました。宿は高齢の母がのんびり過ごせるよう、賑やかな観光スポットから少し離れた静かな岬の一軒宿「松庵」を選びました。
松島は大型のホテルや旅館が多い中「松庵」は総部屋数僅か11室とちょっと贅沢な宿で、今回は母の為に奮発しました。
- お宿での実体験を書きました
- 柔らかい潮の香り。すぐ近くを野鳥が飛んでいて、遠くの方から虫の声も。自然を肌で感じられる素敵な宿でした。
- 記事の最後にはお宿のSNS口コミも!
松島佐勘 松庵 潮風の心地よい宿へチェックイン
宿に向けてカーナビの案内通り車を走らせましたが、徐々に細い道になってきて「合っている?大丈夫?」などと不安で話していると、やっと看板が見えて来てホッとしました。物凄く奥まった場所です。
駐車場に車を停めると、すぐに宿の方が出て来てくださいました。どこかで見ていたの?というくらいスピーディーな対応に好感が持てます。
車を降りると柔らかい潮の香りがします。すぐ近くを野鳥が飛んでいて、遠くの方から虫の声も。自然を肌で感じられる素敵な宿でした。 もうこの時点でここに決めて正解だったと確信。
荷物を持って頂き、素晴らしい庭園を通り宿の中へと案内されました。高齢の母の歩調に合わせてゆっくりゆっくり歩いて下さり、こういった配慮は流石です。
中へ入ると、今度は担当の仲居さんの案内で部屋へ移動しました。
目の前は松島の青い海、眺望抜群のお部屋
仲居さんに促され、部屋の中へと入りましたが何だか少し薄暗い。障子が閉まっているからかしら、その時ピンときました!
これは宿の演出で、障子を開けて目の前に広がる美しい風景に感動してもらうため!「ふふふ・・・私は驚かないわよ~」と心の中で思いました。
思ったのに、思っていたのに仲居さんが障子を開けた瞬間「わあ~」と声が漏れていました。 「あらあら~」と母、そして無口な夫までもが「お~~!」貴方までやられたのね。
声が出るのは当たり前。何一つ遮るもののない圧巻の景色です。
目の前は青い海だけ。母と窓辺に置いてある椅子に座って、しばし景色を堪能しました。
点てて頂いたお抹茶とお干菓子も、景色を眺めながら頂戴すると、味も更に格別でした。
客室
想像以上に広い部屋でテンションが上がりました。
部屋は足腰の弱ってきた母へ負担がかからないよう、ベッド付き2間の部屋を予約していました。
ロールカーテン風の粋な簾が何と電動なのです。和風旅館なのにハイテク!和洋折衷で面白かったですね。
部屋風呂は檜。檜は水を少し張っていないと割れてしまうそうです。これまでも檜風呂の宿に何度か宿泊していますが、水を張っていたのは「松庵」だけ。
これを見た時、手入れの良さと本物を感じました。この松庵は決して新しい宿ではありませんが、きちんと修繕され手入れが行き届いており古さを全く感じません。
母のような高齢になると、大浴場や館内施設などは余り利用せず、部屋でのんびり過ごすことが多くなります。そのため、居心地の良い部屋は一番に重視するポイントでした。
夕食はレストランの個室で季節の懐石料理
夕食はレストラン内の個室でした。3人では贅沢すぎる広さです。
事前に母のお誕生日祝いと伝えていたところ、特別にお料理に金粉を使って下さり、お箸のプレゼントまで頂きました。ちょっとした心遣いが有り難かったです。
お料理は懐石コースで季節感たっぷり。見た目の美しさは勿論のこと、とてもお上品な味でした。お世辞抜きに美味しかったです。
海鮮が好きな母は、新鮮なお造りに「美味しい!」と感動。
和風旅館だと、お料理も和ものが中心になりがちですが、焼き物には仙台牛のステーキが出てきて洋食も楽しめました。
お酒は地酒の飲み比べをチョイス。夫が欲張って飲み比べ5種を頼んだものだから、私までお手伝いして日本酒を飲むことに。本当はお魚に合わせて白ワインを飲みたかったのになあ~。
お料理は一品一品のボリュームがあるので、最後のご飯はお腹がいっぱいで食べられませんでした。
郷土料理のサービスも
ご飯は宮城の郷土料理「はらこ飯」(鮭の炊き込みご飯にイクラがのっているもの)でした。食べられず残念に思っていたところ「おにぎりにしてお部屋にお持ちしますね」と担当の仲居さんが。至れり尽くせりです。
でも不思議!デザートは別腹でした。普段は小食の母が沢山食べてくれたのが何より嬉しかったですね。
夕食後のお夜食「はらこ飯むすび」
たっぷり時間をかけた夕食後、部屋へ戻るとお布団が敷いてありました。
ふとテーブルの上を見ると、母宛に小さなお花のアレンジが置いてあり「お誕生日おめでとうございます!」のメッセージカードが。「お食事の際もお心遣い頂いたのに、ここまでして下さるの~」と感謝の気持ちでいっぱいになりました。
少しすると仲居さんが「はらこ飯」をおにぎりにしたものを持ってきて下さいました。その時はお腹がいっぱいでも、夜は小腹が空くんですよね。
面白かったのが、ご飯の中にトウモロコシが混ぜ込んでありました。食感が楽しくて「はらこ飯」とも非常にマッチしていて、これは自宅でも真似したいと思いました。
生ビールで心弾む夜
「松庵」はルームサービスで生ビールも注文することができます。通常であれば、お部屋の冷蔵庫内の缶ビールを飲みますが、やっぱり生ビールをジョッキで頂くのは最高です。しっかり夫は大ジョッキを注文していましたよ。3人であれやこれやと話が弾み、夜が更けていきました。
波の音と鳥の声に目覚めたあとは楽しい朝食
遠くから聞こえる鳥のさえずりで目が覚めました。起きて隣の部屋に行ってみると、昨夜最初に潰れていた夫が早起きして朝日を撮影していました。
昨日は満潮でしたが、今朝は潮が引いていてまた違った景色へと海が一変しています。静かな波の音に鳥の声・・・。自然のBGMに癒されます。清々しい朝の空気に体も心もリフレッシュしました。
朝食は昨日と同じレストラン内でしたが、景色がよく見える窓辺の椅子席に案内されました。地場産品を意識された朝食は見るからに美味しそうです。
ちょっと変わっていたのが、ミニサイズの卓上七輪で笹かまぼこなどを炙って頂くものでした。その中にお米を原料にした小さな薄い板状のものがあって、炙ると膨らんで少し大きくなります。
パリパリしたお煎餅が出来上がりましたよ。母は悪戦苦闘していましたが、こうした楽しい趣向も良いものですね。お子さんも喜びそう。
仲居さんが気を利かせて下さり3人の写真を撮ってくれました。3人で撮った写真はこの1枚きりでしたので、貴重な思い出の写真になりました。
松島佐勘 松庵のブログ宿泊記まとめ
ふと思ったのですが、部屋では車の音や人の声が一切しませんでした。本当に静かです。何もせず、ただ自然にふれあい景色を楽しむ贅沢とでもいうのでしょうか。素敵な宿でした。
帰りに駐車場まで見送って頂いた際、我が家の車に鳥の糞が。自然環境の中では仕方のないことですが、宿の方が「あ~申し訳ありません」と何度も何度も謝って下さり、逆にこちらの方が恐縮してしまいました。
運が付いたということで、我が家では今でも笑い話になっています。 付かず離れずでありながら、おもてなしの心を随所に感じた宿でした。気取ったところがない気さくな仲居さんも好印象です。
心をリフレッシュしたい時に、ぜひお勧めしたい宿ですね。